「警察官の退職金って、結局いくらもらえるの?」
うちの夫は警察官から市役所職員に転職したのですが、この話をすると、決まって聞かれる質問があります。
「じゃあ退職金、もらったの?」
実はこれ、答えるとちょっと驚かれます。もらっていないんです。それも、損をしたわけではなく、ちゃんとした理由があってのことでした。
今回は、公的なデータと、実際に転職を経験した夫の実例をもとに、警察官の退職金のリアルをまとめてみます。

■結論 定年まで勤めれば約2,200万円、でも「辞め方」で大きく変わる
まず結論から。
👉 定年退職(勤続25年以上)の全国平均:約2,199万円(令和4年度 総務省調査)
都道府県によって差はありますが、定年まで勤め上げれば2,000万円台がひとつの目安になります。
ただ、これはあくまで「定年まで勤めた場合」の話です。
👉 自己都合で途中退職すれば金額は大きく下がる
👉 公務員から公務員への転職では、そもそも退職金という形で受け取らないケースもある
うちはまさに後者でした。順番に見ていきますね。
■ 退職金はどうやって決まるのか
警察官の退職手当は、ざっくり言うと「退職日の給料月額」に「勤続年数と退職理由に応じた支給率」をかけて決まります。
この支給率が、定年退職か自己都合退職かで結構違ってきます。ここが金額を大きく左右するポイントです。
■ 定年退職の場合
全国平均は約2,199万円(勤続25年以上)。
都道府県別に見ると、東京都(警視庁)が約2,309万円、神奈川県が約2,273万円と、やや高めです。
■ 自己都合退職の場合
自己都合で辞めると、同じ勤続年数でも支給率が下がります。たとえば勤続35年なら、定年退職の支給率が47.709倍のところ、自己都合退職だと39.7575倍まで下がる、というイメージです。
実際に、勤続17年で自己都合退職して約500万円だった、というケースも見つけました。長く勤めるほど有利なのはもちろんですが、「どう辞めるか」でも金額が変わってくる、というのは意外と知られていない気がします。
■ うちの場合:退職金、もらってません
ここが今回、一番書きたかった部分です。
警察官から市役所職員のように、地方公務員から別の地方公務員へ転職する場合、退職手当の扱いには特別なルールがあります。
空白期間なく(1日も空けずに)引き続き別の自治体の職員になった場合、それまでの勤続年数は「通算」されて、転職のタイミングでは退職手当が支給されない、というのが一般的なんだそうです。
(参考:東京都市町村職員退職手当組合の退職手当制度の説明より)
※通算・不支給の扱いは、加入している退職手当組合や自治体の条例によって異なります。ここでは東京都市町村職員退職手当組合の例を参考にしています
夫に聞いたところ、まさにこのケースでした。転職したときに退職金は出ておらず、警察官時代の勤続年数はそのまま市役所での勤続年数に引き継がれているとのことです。
「辞めたら一時金がもらえる」というイメージを持っていたので、最初は少し拍子抜けしましたが、考えてみれば損をしているわけではありません。むしろ今の職場で定年まで勤めれば、警察官時代の年数も含めて退職金が計算されるので、トータルではきちんと反映される仕組みです。
「転職したら退職金は消える」わけではなく、「持ち越される」というのが正しいイメージのようです。
退職金って結局もらえるの?
いや、結局もらえないってさ。警察官から市役所へ転職するまで離職期間がないと、もらえないって事務に言われたよ。
→ 警察官から市役所に転職したときの給与明細を公開した記事はこちら
■ 退職金の税金は優遇されている
退職金にも税金はかかりますが、「退職所得控除」という優遇があります。
勤続20年以下なら「40万円×勤続年数」(最低80万円)、20年を超えると「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」が控除額の目安です。
課税対象額は「(退職金-控除額)×1/2」で計算されるので、控除額の方が大きければ税金はかかりません。長く勤めるほど、この控除も大きくなっていく仕組みです。
■ まとめ
- 👉 定年退職なら退職金の目安は約2,200万円
- 👉 自己都合退職の場合は、支給率が下がり金額も大きく減る
- 👉 公務員同士の転職では、空白期間の有無で「退職金が出る/出ない」が変わる
- 👉 出なかった場合も、勤続年数は次の職場に持ち越されるだけで損はしていない
うちのように「もらってません」というケースも、実は損をしているわけではなく、次の職場での退職金にきちんと積み上がっています。この仕組みを知らないまま転職すると、「退職金がもらえなかった」と不安になってしまうかもしれませんが、そんな心配はいらなそうです。